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クロスフェードの中心にある大通りから少し横に逸れた場所にある「魔技練達場」の前には、早朝から大勢の受験生たちが集まっていた。受験票に書かれた通りなら、開場まであと5分もない。
街の探索を兼ねて、一度前までは歩いて来たが、何度見ても「コロッセオ」にその外観は酷似している。魔法や武術の鍛錬、各種競技の開催等、多岐に渡る用途に対応した施設であるということなので、広さもそれなりのものだ。
「すごい人だな。」
俺は受験生の人混みに紛れて開場を待っていた。それとなく「サーチ」を発動して「受験生」を探ってみる。半径1キロ以内に限定しても赤い点が大量に出現している。ざっと数えても200人くらいはいるだろう。この中から何人くらいが合格するものなのだろうか。
そんなことを考えていると会場の門がゴゴゴゴゴという有りがちな音を立てて開き始めた。
受験生は開いていく門を見ながら色々な表情を見せている。笑顔でソワソワしている者、周りをキョロキョロと見回している者、ゴクリと唾を飲みながら待つ者。
俺はほとんど緊張することもなく、入るまであとどのくらい並ぶのかを考えていた。
 

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