「ミコエルに"トランスモーフ"を!?」
"トランスモーフ"は相手にダメージを与えるスキルではない。
でも、これは……
「私はいいですよ〜。困るようなことありませんし。」
ミコエルは軽く答える。
「そんな軽くていいんですか?だって"トランスモーフ"の力は『契約した相手のスキルと能力を一定時間コピーする』なんですよ?」
ミコエルのスキルと能力をコピーできるなら、それは願ってもないことだが。
しかし、先ほどまでの話だと、ミコエルは大天使やTOMOKI++さんは神、この世界を創るほどの力の持ち主だ。そんな力を一個人がコピーしていいとは思えない。
バランスブレイカーもいいところだ。
「私の力も全盛期ほどじゃないですから、大したことありませんよ〜?」
ミコエルは楽しそうに笑っている。
「持ち物を見る限り、ドイルくん自身の契約書はあるけどステータスの記載がない。数値を選ぶようになっている。でも、今のまま"レミルメリカ"に行くと数値がどう設定されるか分からないからね。最悪、全ての数値が0なんてことも……。」
TOMOKI++さん、意外に容赦ない。