「それでは、また近いうちに〜!」
ミコエルは羽根を羽ばたかせ、空中に浮いたかと思うと、光の粒子を残して一瞬で消えてしまった。
チュートリアルもそろそろ終わりか。
「さて、メッセージはまだ切れていませんね。ドイルくん、運営として君のことは定期的に確認しに行きます。向こうで何をするのも自由ですが、犯罪行為は駄目ですよ。」
さすがは運営だ。
「さすがにそんなことしませんよ。」
神に監視されていると分かっていてそんなことをするバカはいないだろう。むしろ、止める側に回りそうだ。
「ドイルくんを信じています。あと、ミコエルくんではないけど、僕からの餞別も渡しておいたから受け取ってくれたまえ。」
気づかないうちに何かを仕込まれていたらしい。運営、おそるべし。
「わかりました。今後ともよろしくお願いします。」
社畜のクセが抜けないのか、会社の営業先にするように頭を下げてしまった。
「では、ドイルくん、また近い内に。」
そう言って意外にもあっさりとメッセージは切れたのだった。