「まさか残党の力がこれ程とは……。しかし、この神殿をこれ以上壊されるわけ……には……。」
ついに倒れてしまった。やりすぎた。
どうするかな。
回復魔法、何が使えるんだっけ……。
というか、残党って何のことだ?
うん、ひとまず治療してから弁明しよう。
魔法を唱えようと頭の中のリストを探す。
「はなぽさん!大丈夫ですか!」
若い男が突然礼拝堂に走ってきた。
どうやら、この男の仲間のようだ。
そうか、"はなぽ"と言うのか。
あった、これだ。
『クリエイション』
最上位の治療魔法だ。魔力を消費して足りない血や体力まで補ってくれる。
「お前、はなぽさんに何をした!」
回復魔法を唱え終わると同時に、若い男が勢いよく吠える。
どうやら倒れているこいつと同じ種族のようだ。
弟子と師匠か何かだろうか?
「俺は、突然襲われたから反撃しただけだって。今、治療魔法もかけたし。」
ひとまず本当のことを言う。
まあ、どうせ……
「嘘をつくな!お前は魔族を率いていたやつの残党だろ!」
そういうと思った。