アナザーストーリー side セレスティア10
「いったいどなたを行かせるおつもりで?」
m-aが尋ねる。
「こういう時のためにあの男がいるのだ。金を払えば動いてくれるだろうよ。」
「まさか"擬態"の……」
「よく分かっているじゃないか、m-a。潜入ならば、あやつ以上の適任はおらんさ。」
「クリスエス様、擬態とは?」
「ひえ様たちはご存知ないかな?"擬態"で分からなければ"夕立P"と言えばお分かりでは?」
クリスエスの言葉に泡麦ひえの表情が少し厳しいものになる。
「クリスエス殿、学園の中に潜り込ませるのは些か問題があるのではないですか?」
しおまねきから指摘が入る。
「"夕立P"の噂くらいは俺も聞いたことがあるが、あいつも確か素性がはっきりしない奴だよなぁ。」
kentaxの声からも疑問が感じられる。
「しおまねき殿の懸念は分かる。"夕立P"は国の戦力でもあるからな。だが、スキルはよく知られていても、誰もあやつを見つけられん。ゆえに、問題にもならぬ。」