たしかにドイルと名乗るこの男は、言っていた。
-----回想-----
「嘘はついてない。俺は別の世界から、さっきこの神殿の地下に転生したんだ。怪しい者じゃない。」
「どうにも信じられませんな。この神殿は、許可無き者は入れぬ場所、身分をあかせぬというなら捕まえて、使官殿に差し出すのみ。」
-----回想終わり-----
「未だに信じられませんが、敗者を殺さず治療までする優しさだけは信じることにします。ドイル殿、改めて謝罪致します。」
「はなぽさん、分かってくれたらいいですよ。ところで、もう1人の方は……。」
まだ倒れて目を覚まさない"タダトモ"の方を見る。
「そろそろ起きるはずですが……。タダトモさん、ほら、起きてください。」
身体を少し揺するとタダトモは反応した。
「ううっ……。」
うめき声のようなものをあげながら目を開けた。ダメージは回復しているはずなので、身体は動くはずだ。
「はなぽ……さん?」
目を開けたタダトモは、はなぽの顔を見て疑問を感じたようだ。そして……
「はなぽさん!大丈夫ですか!」
タダトモは飛び起きた。
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