「はなぽさん、無事だったんですね。」
タダトモは自分が先ほどまで倒れていたことを忘れて、はなぽの心配をしている。
「大丈夫ですよ、タダトモさんの傷も私の傷も、このドイルさんが治してくれましたから。」
「えっ、この人は、はなぽさんを倒して……。」
タダトモはまだ驚いているようだ。自分に魔法で攻撃をした相手だから疑うのは当然だとは思う。
「私もまだ半信半疑ですが、彼はどうやら異世界からレミルメリカに飛ばされてきたようで、この神殿に侵入したわけではないそうです。」
一応、説明はしてくれたようだ。
「タダトモさん……ですよね?僕はドイルです。別の世界から飛ばされて、気がついたらここの地下にある礼拝堂にいたんですよ。」
嘘はついてない。ミコエルに飛ばされたとか言ったら絶対に信じて貰えないからな。
「そんなことがあるんですか。たしかに信じられない。あ、でも、名前はタダトモです。"ダンテP"の称号を頂いています。」
はなぽ、タダトモ、2人ともボカロ丼にいたメンバーだ。レミルメリカはボカロ丼とつながっている。ミコエルの言葉が少し理解できた気がした。