アナザーストーリー side プリズム2
独り言を呟く程に私の心は落ち着かない。
評決議会では滞りなく話が進んだ。
"プリズム"が抱える問題は国内だけでは解決が難しいという判断だ。特に海洋種族の離反は議会にとって大きな問題として認識されていた。彼ら海洋種族は、一部の能力は制限されてしまうものの、陸上でも生活できる。それ故に、離反した海洋種族が陸上に逃げてしまった場合、彼らだけで探すのは困難になる。
今回、セレスティアとの会談を行うのも、離反した海洋種族の捕獲に力を貸して欲しいという要望を伝えるという目的が大きい。
セレスティアへの見返りには、最近、噂になっている"例の4人"の情報収集に協力するということを伝える予定になっている。
先日、雨乞いの儀の協力を得るために国を訪れていた"モケケ"という者がそう言っていた。ミコエル教の中でも中枢に近いと言われる"モケケ"が、なぜそのような情報を流してきたのか真意は分からないが、"例の4人"の話が本当ならもはや一国の問題ではない。