アナザーストーリー side プリズム3
「使者を送る準備をしなければ……。」
気が重い。どうにもこういう責任がのしかかる役割は気乗りしない。そもそも離反した者たちをわざわざ捕らえて裁くという考えも好ましくない。敵対する者は亡き者にしなければ、その脅威は消えないと思っているのだ。
そもそも、私にこんなことに時間を割いている余裕はない。我種族の存亡に関わる問題を抱え、他にやらねばならぬことがあるのだ……この"しょこらどるふぃん"にはな!
「誰かおらぬか!セレスティアに使者を出す。今すぐ、準備せよ!」
しょこらどるふぃん。
"プリズム"の"海洋評決議会"の一角。
その名の通り、"イルカ"の海洋種族である。
青いイルカの姿、黒い双眸、魚類に類する背ビレもある。海洋種族は、魚類から独自の進化を遂げているため、厳密には魚類ではないのだが、今はそんなことはどうでもいい。
しょこらどるふぃんは、セレスティアへの書簡を認めるため、自室へと泳いでいった。