「そうですね。原材料が足りなかったところや、レアな素材を使う場所もありましたし、スキルで細かい装飾は難しいのでね。実際3ヶ月くらいでしょうか。」
それでもかなりの速度だ。元いた世界で2026年を目処に完成予定の世界遺産なんてものもあったが、それと比較しても遜色がない。
「今回もはなぽさんは、神殿の修復を依頼されたんですよ。」
タダトモさんから再び補足が入る。
「タダトモさんはどうしてここに?」
話を振ってみることにした。
「僕ははなぽさんのような建造士ではなく、検査士なんです。僕のスキルは仕上げ向きなんで。」
たしか"ミライノート"というスキルだったはずだ。
「検査士ということは、出来上がったものを確認する仕事ってことですよね?」
「そうですそうです。僕のスキルは"ミライノート"、さっきは良いところ見せられなかったですけど、実はすごいんですよ。」
さっきは見ることなく終わったからな。見せて欲しいものだ。
「たぶん口で言うより見てもらった方が早いので、ちょっとやってみますね。」
願ってもないことだ。
俺は少しワクワクしていた。