「では、はなぽさん、いつものやつでいきましょう。"ミライノート"」
タダトモさんの手が少し光ると、左手に一冊のノートらしきものが顕現した。
表紙にはカタカナで「ミライノート」と書かれている。あれ?このノート、量販店で売ってるのみたことあるぞ?
ミライノートの発動に合わせて、はなぽさんもスキルを発動する。
「"クラフト"。素材はどうしましょうかね。ああ、ちょうどそこに先ほど壊れた椅子が。」
戦闘の時に壊れた椅子の残骸に向けて、はなぽさんがスキルを発動する。
「素材は木片、作成するものは前と同じ椅子でいいですな。『メモリア』。」
はなぽさんがスキルを発動して魔法を唱える。
「『メモリア』は一度作成した物を記録しておく"クラフト"専用の魔法です。私は過去に作成したものはすべて記録を残してありますから、これを使えば……。」
みるみる内に木片が椅子の形へと変化していく。10秒と経たない内に、礼拝堂に元々あった椅子が復元された。
「少し素材が足りなかったようですが、何とか元どおりにできましたね。」