アナザーストーリー side シルバーケープ6
どういうことだ!
白継の思考は混乱した。
数時間前、白継が島に到着した時、複数の魔物ハンターたちが上陸していた。危険度5の島に上陸できる協会でも指折りの魔物ハンターたちをここまで圧殺できる者。
「化け物かっっ!」
白継の口から出た言葉。
ある者は四肢を砕かれ、ある者は顔を潰されている。肉塊と化したハンターたちから答えは返ってくるはずがなかった。
「化け物とは心外ですね。」
白継は咄嗟に周りを見渡した。まさか、この私が敵を見落とした?
今の白継は梟だ。相手の姿があれば見えないわけはない。鋭敏な聴覚で相手の呼吸音すら感じ取れるはずだった。
何も感じ取れなかった……この私が?
白継は咄嗟に人の姿に変化し、地に足をつけ、周囲を警戒した。機動力は落ちるが、人の姿の方が何かと対応しやすい。
敵の姿が見えない内から上空に避難するのは愚策だ。
白継は地に足を付け、感覚を研ぎ澄ます。
そして……見つけた!
「そこだっ!!!」
ハンターたちの倒れている方向に向けて、ナイフを飛ばした。