アナザーストーリー side シルバーケープ9
フードの女が命令を下すと同時に、烏たちは島のあちこちに散らばっていった。
"掃除"の意味するところなど聞く意味もない。この島からあらゆる命が消えるまで、それ程の時間はかからないだろう。
あの烏たちの力は、おそらく白継に測れるようなものではない。
「さて、"監視者"さん。あなたにはお願いがあります。」
そう言って女はフードを取った。
「私はいな実、立花いな実。あなたたちが"四天王"と呼ぶ者。」
"四天王"。それは歴史上に名を刻む絶望。
なぜ、そんな者たちが、自分の生きる時代に動き出したのか。
「私たちは……世界に宣戦布告する。」
白継は自分の目の前にある"死"を感じることしかできなかった。