「人には使えないですねぇ。でも、人の着てる服とかなら使えますよ。動物も試したことはありますけど、ダメでした。」
生物相手には使えないのか。
生きてるものにまで使えたら、すごいことになりそうなスキルだったけど。
「じゃあ、1年後にはもう無いものとかだと、どうなるんです?」
完全に興味本位だ。
「そうですねぇ。じゃあ、どうしようかな。えっと……。」
タダトモさんは辺りを見渡し、ポケットの中を探る。
「あ、これでどうっすかね。」
タダトモさんは先ほど、はなぽさんから渡されたマグカップを持ってスキルを発動する。
「これが10分後。」
ノートを見ると、中の飲み物が減っている。
「これが1時間後っす。」
おや?ノートには割れたマグカップが描かれたいる。
「あれ?中身だけ無くなる様子を出すつもりだったんすけど。う〜ん、つまり、1時間後にはこのマグカップは割れてるみたいですね。」
割れてる。マグカップを落としたりするのか?クラフトのスキルで作ったものでも、普通の木や石で作ったものなら壊れるのは先ほどの戦闘で確認済みだ。