アナザーストーリー:アトラスの軌跡(序)
雨乞いの儀。
それは古来より引き継がれるミコエル教の儀式の1つである。
"地が乾き、水が枯れ、人が嘆くとき、天使へ祈りの歌を捧げるべし"
大天使ミコエルのスキル"大天使の加護"
信徒の祈りにより力を得るこのスキルは、祈りの歌によって最大限に引き上げられる。
そして、雨を望む人々の願いを聞き届けた大天使ミコエルは、祈りの歌を触媒に、天候すら操る魔法"Trails of atlas"……"アトラスの軌跡を発動するのである。
この魔法は三日三晩の間、天候を望むものへと変える。
莫大な魔法力を必要とするため、一度発動したアトラスの軌跡はどのような魔法でも解除できない。
かつて、神話の時代に"ある神"がレミルメリカの全てを大洪水によって洗い流したと言われている。その際に使われた魔法がアトラスの軌跡である。
しかし、大天使ミコエルと言えどもその反動は大きく、魔力をすべて失う。
つまり、儀式の後、大天使ミコエルは強力な魔法を使えない。もし、大天使を狙う者がいた場合、儀式は絶好の機会になってしまうのである。