アナザーストーリー:アトラスの軌跡(序)
噂が噂を呼び、吟遊詩人こるんの名は、レミルメリカ全体に知れ渡ることになった。
そして、人々はこるんならば、雨乞いの歌を創ることができる、歌うことができると信じるようになっていった。
吟遊詩人こるんは、レミルメリカの様々な土地に足を運び、歌っていた。
セレスティア、プロムナード……こるんはいく先々で歓迎された。
そんなこるんに、人々から雨乞いの儀のために歌を創ることが依頼されるまで、さほど時間はかからなかった。こるんは、自分のこと歌が役立つならと快諾した。
ミコエル神殿へ赴き、まきエルと交渉する役も自らこなしたのである。
ところで、レミルメリカにおいて、雨乞いの儀が行われた記録は過去に1度だけである。
レミルメリカ全体を巻き込んだ数十年前の大きな戦争の後、大地は水を枯らした。
人々は、水を求めて大天使ミコエルに助けを求め、その時、大天使ミコエルが地上に降臨し、人々に雨乞いの儀の方法を伝えたとされている。
そして、時は移り、現在。
再び、人々は雨を求めたのである。