外伝:出会い4
謁見の間という広い場所に通されると、紅い絨毯の先に綺麗な椅子が置かれており、そこに王様と王妃様が座っていた。
何人もの兵士たちが王を護るために絨毯の横に並んでいる。
王様の横にもう1人誰か立っている。
小さな男の子だった。
お父様に連れられて私は絨毯を歩き、王様の前にたどり着いた。
お父様が膝を折ってその場にしゃがむ。
私は真似をしようとしたが、可愛いお洋服を汚したくなくて困っていた。
お父様は「座りなさい」と言ったけれど、王様が「よい、可愛らしい服が汚れてしまうといけない。」と言ってくれた。
お父様は王様とお話をした。
私にはよく分からないお話。
私はぬいぐるみを抱きながら、静かにお話が終わるのを待っていた。
ふと、王妃様と目があった。
綺麗な人だなと子ども心に思った。
すると、王妃様がはニコリと笑って、立っている男の子に言った。
「ファンド、私たちのお話が終わるまで彼女をエスコートしてさしあげなさい。」
「わかりました。お母様。」
そう言うと、男の子は私の前まで歩いて来た。