アナザーストーリー:団長の憂鬱2
「結構です。kentax団長はすぐそうやってご飯に誘うんですから。もっと団長としての自覚をもってもらいたいです。いいですか?私たち団長という役職は部下に示しを……」
またこの話かよ。会うたびに同じようなことを言われている気がする。
飽きねえなぁ、こいつも。
真面目が服着て歩いてるみたいな感じだ。
「おいおい、そんなこと言うために呼び止めたのか?あんまり生意気なことばっか言ってると、その服、切り刻んじまうぞ?」
笑いながら飄々と受け流す。
剣闘師団は戦闘集団だ。
明日、戦争が始まれば死ぬ者が出る。
だから団長の俺が一番今を楽しまなけりゃ、部下に示しがつかねえ。
kentaxなりの団長としての流儀なのだ。
「服を!?ああ、いえ、もう良いです。そんなことのために呼び止めたのではなく、先ほどの王からのご依頼について確認しておきたくてですね。」
小言は収まったようだ。
「ああ、学園への若手の派遣ってやつか?」
剣闘師団には若い騎士も多い。
適当に戦わせて、行きたいやつを行かせようと思っていたが……。