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アナザーストーリー:司書7 

ドンドンドンドンと扉を叩き、一人の男が中へと入ってくる。初老という言葉を体現した落ち着いた空気の中に、一抹の鋭さを宿している。

「お初にお目にかかります。学園の理事長をしております。mai と申します。ナチュラルPの称号を頂いております。」

ナチュラルP、月の崇拝者として知られる彼は先王の時代から学園を統べる者。

彼女は読みかけの本を音もなく閉じると、椅子を立ち上がり、軽く頭を下げる。猫は膝から飛び降りると、音もなく地面に立ち、尻尾を立てて彼女を見上げる。

「初めまして。ナチュラルP殿。セレスティア図書館の司書を務めます、切身魚です。」

2人の話は夕刻まで続き、切身魚は図書館司書を継続しつつ、週に二度、学園の教壇に立つことになった。話を終え、ナチュラルPの背を見送った後、切身魚は帰り支度を始めた。未だ図書館の窓にうすら明りはあるのに、灯りが消えていく本棚は、闇に沈み黒い影と見えるばかりである。

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