アナザーストーリー:音と記憶と試練の島2
「本部長、未だ定時連絡ありません。」
これまで白継が定時連絡を欠いたことは一度もない。だが、試練の島1468に行くと言い残し、連絡を絶った。
しかもその後しばらくして、試練の島1468で異様な魔力反応が検知された。すでに反応は収まっているものの、白継からの情報が無ければ判断も難しい。
「1468に向かったハンターたちに連絡はつかないのか?」
メッセージを使い連絡を試みている通信班に確認を取る。
「ダメです。メッセージ先に相手がいないようです。何かあったとしか思えません。」
メッセージが通じないのではなく、相手がいない。つまり、相手はすでに死んでいる可能性が高いということだ。
「くっ、誰か動けるハンターや冒険者に連絡して調査をかけるしかないか。」
協会本部が情報を把握できないのは信用に関わる。しかし、事態は一刻を争うかもしれない。
「え?本部長、外部からメッセージが、しかもこれは白継さん?監視者からです。」
良いタイミングだ。
「繋いでくれ。緊急の可能性もある。回線はオープンでいい。」
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