アナザーストーリー:音と記憶と試練の島3
メッセージを協会本部の司令室全体に聞こえるように設定する。
「フミト本部長、白継です。」
文月フミト。
自身も魔物ハンターの経歴を持ち、若くして協会のトップに立った有能な人物である。
「白継さん、無事だったようで何よりです。先ほど、試練の島1468で異常な魔力反応を検知された件についての報告を……。」
「あなたが文月フミトさんですかな?」
メッセージに割って入る別の声。くぐもったような声だ。変声の魔法でも使っているのだろうか?
「誰だ。お前は。」
文月フミトは警戒した。
「私のことをお話するつもりはありませんが、ふむ、名乗らないのも失礼にあたりますか。私のことはrainydayとお呼びください。しがない流浪の民ですから覚える必要はありません。」
rainyday、聞いたことがない名前だ。
「それで、何の用だ。話に割り込んで来るのだから相応の理由があるのだろう?」
文月フミトは聞き返す。
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