アナザーストーリー:"擬態"の者4
「言っただろう、特異体質だと。魔法なのかスキルなのかすら不明だ。こやつの正体は私ですら知らぬ。だが、他者に化けることにおいては一級品でな。それゆえに"擬態"。」
しおまねき、m-aの2人はまだ驚きを隠せない様子だ。
「今しゃべっているこの声と話し方も、その辺にいた人のやつを適当に拝借してるだけなんで、俺自身のものではないですけどね。それで、クリスエスさんからの依頼は久しぶりですけど、値段が破格ですからね。内容と値段によっちゃ、引き受けますよ。」
夕立Pの力は危険だ。悪意をもって使用すればあらゆる犯罪を起こすことすらできる。しかも犯人に擬態して。
「クリスエス殿、かの者の存在は、もはや国家レベルの危機なのではないですか?」
m-aは外交官として国の危険を無視できない。
「悪いことしようとは思ってないですって、それに俺のこれはクリスエスさんには通じないんで。」
スキル"異端審問"。クリスエスを異端審問官たらしめているスキルである。
「そういうことだ。だから、夕立Pのことはこの私が監視している。」
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