アナザーストーリー:選抜2
先ほどのよだかの返答がなかったかのようにkentaxは言葉を続ける。
「はい。お断りします。」
またしても即断。
「お前なぁぁぁぁ!なんで速攻で断るんだよ、悩めよ!そして行けよ!団長からの指名なんだぞ!」
突然の団長のキャラクターの崩壊にも、よだかは動じない。
「団長、若いのに片っ端から声かけてるでしょう?もう皆知ってますよ。」
セレスティア王国剣闘師団は、強さを求める集団である。だからこそ、団長であるkentaxは団員全員に自己主張を許可することを徹底してきた。戦場では上司も部下もない。上が間違った判断をした時、現場にいる下の者が意見を言えずに命を落とすことがあってはならない。ただ、強くあれ。クリスエスや泡麦ひえには示しがつかないとか、他の場所でも自己主張が強すぎるとか色々言われるが、それはそれだ。
しかし、今回ばかりはそれが仇になった。
「仕方ねえだろ、誰も行かねえってんだから、とりあえず若い奴に声かけてんだよ。よだかで3人目だ。ったく、なんで誰も行きたがらねえんだよ。」