アナザーストーリー:選抜5
「学園へ行く若者をお探しだとお聞きしまして、よろしければ僕が行かせてもらおうかと思いまして、ええ。」
軽く眼鏡を上げる動作をする。
「あ〜三国、お前が行くのか。」
どうやら、kentax団長の選択肢には入っていなかったようだ。
「ボンドPも若手ですし問題ないのでは?」
よだかは、代わりを考えなくてよくなったからかどことなく嬉しそうだ。
「あのなぁ、三国の能力はお前も知ってんだろ。うちの団からすりゃ、こいつは貴重な戦力なんだよ。」
kentax団長のいう能力はスキルのことだ。たしかに三国奏、ボンドPは"他とは少し変わったスキル"の使い手である。
「ということは、私は貴重な戦力ではないと言うことですね?」
よだかの言葉にkentaxは顔を少し曇らせる。
「そうは言わねえけどよ、今んとこ、三国はおめぇより強えからなぁ。」
今のところと付け加えるのは、配慮ではなく正直な評価だ。
先日、kentax団長の思い付きで突然行われた団内の個人戦でも三国はよだかを破っている。
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