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アナザーストーリー:選抜8 

「小金井ささらです。入ります。」

魔法師団に支給されるローブを羽織った髪の長い女性が部屋に入ってきた。

「よく来てくれたね、ささらさん。」

魔法師団団長・泡麦ひえ。雷魔法を得意とする彼女は、魔法師団に入る以前は、冒険者として世界各地を旅していた経験がある。セレスティア草原で魔物を討伐していた時、前任の団長にスカウトされ、魔法師団に入ったと噂されている。そんな優秀な彼女が目をつけている魔法使い、それが小金井ささらだったのだが……

「団長、この子も一緒なんですから挨拶してあげてください。」

小金井ささらは、左腕に人形を乗せて髪を撫でている。

「あ、ああ、すまない。"ユキ"と言うのだったかな。よく来てくれた。」

小金井ささら。人形使い、ドールマスター等、彼女につけられる呼び名はいくつかある。

戦場でも、日常でも、常に彼女の側には人形がある。"ユキ"と名付けられたその人形を小金井ささらはまるで生きている人間のように扱うことで有名だ。

「挨拶してくれて、喜んでます。今日もユキちゃんはかわいいです。」

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