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アナザーストーリー:選抜9 

小金井ささらは魔法師団の若手の中では指折りの実力者である。先日の魔物討伐の時には団員たちから「この程度の魔物より小金井ささらの方が怖い」とさえ言わしめたほどだ。違う意味が籠っているかどうかはここでは追求してはならない。

「それで、ささらさん、今日来てもらった理由なんだけど。」

「ユキちゃんかわいい。」

割り込まれた。話の腰が音を立てて砕けた気がする。

「う、うむ。かわいい、のだろうな。」

泡麦ひえは、どうにも返答に困ってしまったようだ。

「『ユキちゃんかわいい』というのは、私が自然に発してしまう言葉なので、団長は気にせずお話を続けてください。」

そんな相槌があってたまるか!と大声でツッコミを入れたくなる気持ちを抑えて話を続ける。

「コホン、今日ささらさんに来てもらったのは、他でもない。ファンド王及び、この魔法師団団長、泡麦ひえの命により、小金井ささらに我が国の学園に行ってもらいたい。」

小金井ささらは、泡麦ひえの言葉を人形の髪の髪を触りながら聞いていた。

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