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アナザーストーリー:招かれざる客9 

切身魚は、スキルによって様々な工作を行うことを可能としている。しかし、その能力は特定の場所で限定的に効力をあげるものだった。切身魚は、かつて、本に"魅入られた"少女だった。それは彼女のスキルそのものが図書館という場で効力を高めるものであったからだ。ゆえに、図書館は彼女の世界。今、夕立Pはその世界に取り込まれつつある。

「そういうことですか。場所を選ぶとはいえ、なんというスキル。まさか、この図書館全体があなたの手の中とは。」

夕立Pはこの空間に取り込まれぬよう、その場から跳ぼうとした。

「なっ!」

跳べない。足が地面に固定されている。

「気化すると申し上げたはずです。その液体は"凝固剤"、スライム種に物理的な攻撃を当てるため、一時的に身体を硬直させるものです。」

どこまでも準備が整っている。
まさかスライム種にまで対策がされているとは夕立Pも予想していなかった。

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