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アナザーストーリー:招かれざる客16 

しかし、その全身は傷ついており、右肩から下は手をダランと垂らしたままになっている。衝撃波で肩を脱臼したのだろう。

力を使った反動なのか先ほどのように浮遊せず、地面に立ち、肩で息をしているのが分かる。

「グングニルを使ったのはやり過ぎだったかもしれません。」

強い武器などを召喚するためには莫大な魔力を消費する。グングニルは神の武器。もはや使えて一日一度が限度だ。魔力を使いすぎたせいで、図書館の隔離空間を維持できなくなってしまった。夕立Pは倒せたのだろうか。そう思った瞬間だった。

ボッという音と共に空間に火種が灯る。
いけない。
そう思った時には遅かった。

小さかった火種が即座に大きくなり、鳥の形を作っていく。

バサッ、バサッ、バサッ……
炎の中から無傷の火の鳥が姿を現わす。

「さすがは神の槍。相当な威力でした。さすがの私もそれなりの魔力を消費してしまいましたよ。」

グングニルをくらってなお、あの姿を保って居られるとは、底が知れない化け物だ。

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