アナザーストーリー:招かれざる客23
「わしとあんたの仲じゃないか、こりゃあ貸しにしとくけえ。」
ラムドPは気さくに話しかけているが、とてつもない大物だ。"マケッツ"、それは膨大な魔力を持ってレミルメリカに月の女神を召喚した"生ける伝説"の者たちの総称。それぞれが月の女神の加護を受けたレアスキルを持ち、その所在はほとんどの者が知らず、"世界の危機"にのみ動くとさえ噂される存在。
「あなたには貸しを踏み倒されてばかりですからね。まあ、今回は人助けということで、許して差し上げましょう。それで……夕立Pでしたか。まだ暴れ足りませんか?」
喜兵衛が夕立Pの方を見る。
「くっ……。」
ラムドP、ラングドシャP、そして喜兵衛。
いくら夕立Pでも、グングニルと相討った後の魔力でこの3名を相手にするのは無理がある。
「少し熱くなりすぎたようです。ここは、退散するとしましょう。」
夕立Pは自らの周りに炎を纏わせると高く飛び上がり、図書館の屋根を突き破って外へ飛び去っていった。
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