そうか、壁の未来を見て、穴が開いてないかどうかを確認したのか。意外なところで役に立つところを見ると、タダトモさんもはなぽさんも自分のスキルをうまく使いこなしていることが分かる。
「よし、俺もごーぶすさんを。」
ミコエルの力で魔力は充分にある。
「癒しの力"パーフェクトヒール"」
はなぽさんやタダトモさんにも使った完全治癒魔法だ。通常のヒールよりも回復力は高く、その分魔力を消費するが、治りも早い。
ただ、傷は治るが、はなぽさんやタダトモさんの様子を見ていた限り、どうやら回復してからもすぐには動けないらしい。どちらにせよ、ごーぶすさんが動けるようになるまではここで凌ぐしかない。
「へぇ〜これが転移の魔方陣ってやつですか。」
魔方陣のある方向から声が響いた。
はなぽさんやタダトモさんも前方からの射撃にばかり気を取られていたのか、気がついていなかったようだ。俺も回復に集中しすぎて周りが見えていなかった。
はなぽさんの時もそうだったけど、俺はどうにも周りが見えない性質らしい。
くそう、何も成長してないな。