「誰だ、あんたは。」
ごーぶすさんの治療も終わった。俺はまだ倒れているごーぶすさんをかばって前に立つ。
魔方陣の上に立っていたのは、目立つピンク色の毛をしたウサギの獣人。鋭く光る眼光がチラリとこちらを睨んでいる。
「あんたはやめてくれ。ちゃんと春沢翔兎って名前があるんだ。」
春沢翔兎……聞いたことのない名前だが、名前からしておそらくボカロ丼の関係者だ。俺がレミルメリカに転生してからもボカロ丼に人が増えているならば、レミルメリカもその影響を受けているに違いない。もしくは、もっと前からいたけど、俺が絡む機会がなかったかのどちらかだ。今はそんなことを言ってる場合ではない。
「愛情を込めて、ととさんって呼んでくれても構わないぜ?そうしたら少しくらい愛してやるよ。」
愛だって?何を言ってるんだ?
「春沢さんとおっしゃいましたか。なぜ、隊長に攻撃をしたのですかな?」
はなぽさんは前方を警戒しつつ、こちらに質問を投げかける。
「隊長?ああ、この鳥さんのこと?うちら、転移の魔方陣がほしくてさ。できたみたいだからちょっと拝借させてもらおうと思って。」