先ほど、隊長が倒れていた場所あたりを見ると、紫色の光が輝いているのが分かる。どうやら本当にごーぶすさんが発信源のようだ。
速度はそれほど早くはないが、こうしている間にも地面を這うように猛毒が迫ってくる。
そういえば、あの2人はどうしたんだ?
油断して意識をそらしてしまった。
サーチの赤い丸は、3メートルくらい横に動いたところで止まっている。
そちらを見ると、えいさんと呼ばれていたスナイパーが宙に浮き、春沢翔兎と名乗ったピンク色のウサギが地面に倒れているのが見えた。どうやら背後に迫ったごーぶすのスキルを避けるために、春沢翔兎が庇って横に高速で移動したようだ。
「えいさん……無事か?くっ……。」
春沢翔兎の足先が、黒く変色している。どうやら成レ果テに触れてしまったようだ。
「こいつは……毒か。ぐあああぁぁぁっ。」
かなり脚が痛むらしい。
「ととさん、脚出して。」
そう言うと、えいは尾棘を振り回し、春沢翔兎の脚に突き刺した。
「ぐうっ。」
春沢翔兎は苦痛で呻き声を漏らす。
「おそらく、あれは、毒。それなら、僕の毒で抑えられるかも。」