毒をもって毒を制すという言葉がある。
そらうみれいの尾棘には神経毒があり、刺された者を一定時間麻痺させるという機能が備わっている。これは、エイの海獣族の多くが生まれながらに持っているものだ。
そらうみれいの固有スキルは"月ノ水"
エイは海洋生物であり、空を飛行することはできない。にも関わらず、空を飛びながら移動している。これは実際には飛んでいるのではなく"浮いている"が正しい。
月ノ水は、自分の身体を包み込むように周囲に水を生じさせるスキルである。その水には取り立てた効果はなく、単純に水で自分の身体を覆う効果しか持ち合わせていない。一見戦闘向きのスキルではないが、エイの海獣族であるそらうみれいは、それを最大限に活用することができる。
水を纏えば浮力が発生し、身体は浮く。その状態でヒレを動かすことで、そらうみれいは空中を泳いでいるのである。エイは泳ぐ時、ヒレを上下に羽ばたきながら緩やかに進んでいるイメージがあるだろう。しかし、餌を見つけた時のエイの速度は予想を遥かに超える。水中では宙返りや上下旋回すら可能とするほどの敏捷性を誇っているのである。