アナザーストーリー:審問者2
王城に泊まり込みで内政処理に追われていた。城の設備は快適だが、やはり住み慣れた自宅での休息を取りたいと思うこともあるものだ。
「クリスエス様。このような時間に申し訳ありません。」
準備を終えようというところで、名も知らぬ兵士が飛び込んで来た。
「何事だ。」
深夜に来る話などロクなものではない。
「はっ、王城の裏手に複数の魔物が出現したのでご報告に上がりました。」
ここ最近、魔物の出現頻度が上がっている。
「剣闘師団はどうした。」
クリスエスのところに駆け込んで来ずとも部隊を展開すれば良い。
「小隊が王の護衛に行っており、kentax剣闘師団団も隊を率いてセレスティアとアビサルの国境へ向かいましたので……。」
なるほど、手薄になっていたか。
「外遊よい、事情は分かった。魔法師団を叩き起こせ。剣闘師団で対応できる者は魔物の処理と門付近の護衛だ。」
クリスエスの指示を受けて、兵士は姿勢を正す。
「それからm-a様がもし起きられたら伝えておけ、異端審問官・クリスエスが直々に敵を討伐してくるとな。」