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アナザーストーリー:審問者9 

「所詮は声なき獣か。検邪である。」

クリスエスの手元から本が消える。辺りは狼たちの血溜りができている。まだ数匹の狼がピクピクと身体を痙攣させていた。

「ミコエル教の異端審問官の名において、貴様らに永遠の安らぎを与えてやる。」

後にその場面を見た剣闘師団の団員の1人はこんなことを話していた。

「クリスエス様は倒れた狼の中で、息のあるものにトドメをさしていきました。暗闇で顔は見れませんし、私たちは指示の通り離れた場所にいましたので、詳しくは分かりません。しかし、ちょうどその時、魔法師団が到着し、"ライト"の魔法で森を照らしたのです。ライトの光が明るい月の光のように私たちのいる場所にも届きました。その時、クリスエス様は笑っていたように見えたのです。狼たちの首元に剣を刺しながら。」

王城に迫った危機は取り除かれた。剣闘師団の者たちしか知らぬ、夜の森での出来事。

すべてを終えたクリスエスは剣闘師団と魔法師団の増援を引き連れ、王城の門の中へと姿を消した。

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