アナザーストーリー:審問者???
「検邪である。」
血飛沫の舞う様子を遠目で覗き見ている者がいた。
「あれがクリスエス。異端審問官ですか。」
森の木の上にある1つの影。
「森に狼の魔物が出たという話を聞きつつけてやってきてみれば、これはこれは、僥倖ですな。」
整えられた丸みを帯びた髪型、丸めの眼鏡、動きやすそうな簡易な服装をしている男だ。背中にはいわゆるリュックサックだろうか、黒色で明らかに機能性を重視した作りになっているのがわかる。そして、手にはカメラのようなものが握られ、クリスエスの方に向けられている。
「おお、一匹ずつトドメを刺しますか。なかなか良い絵が撮れそうです。しかし、"異端審問"はよく分かりませんな。何かを話していたようですが、ここからは全く聞こえませんでした。」
独り言を言う男。
「いや〜でもこれはこれで良い記事になります。"夜の森の激戦""異端審問官の力に迫る"なんてのもいいなあ。称号持ちランキングも更新しなくちゃ。」
称号、るかなんP。レミルメリカで随一の"記者"にして『トップテン』という名の雑誌を発行する男である。
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