アナザーストーリー:呪詛師の力3
話を聞くに飲み水が切れたようだ。ここからさらに南下すると砂漠地帯がある。あそこを抜けるために飲み水を使い切ったのかもしれない。
「しゃあねえ、後続の魔法師団を待つか。あいつらなら水の魔法くらい使えんだろ。」
魔法師団。その言葉にそらうみれいは反応した。魔法師団と対をなす、団長。おそらく目の前にいるのは、セレスティア最強の軍、剣闘師団だ。なぜこんなところに。そらうみれいは焦ってしまった。
「ん?気が揺らいだ。誰だ、そこにいやがるのは。」
団長と呼ばれた男がこちらを睨みつけている。バレてしまった。"ウォーターベール"で身を隠していても、なぜかこちらを的確に見ている。
「団長、敵ですか?」
横にいた男も剣に手をかける。
「待て、ワンマイ、手を出すな。」
ワンマイと団長。そらうみれいは頭の中で反復した。
「いいから出てこい。この距離なら俺の剣はお前を斬るぞ。」
まだ数メートル以上の距離が開いているにも関わらず、その自信。おそらく、ハッタリではないだろう。
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