はなぽとタダトモは、ごーぶすを止めるために動いていた。
「はなぽさん、ドイルさんが。」
走りながらタダトモは、ドイルの魔法を見た。土の壁が次々と毒の沼を覆い、今まさに大きな金属の板ができていた。
「毒を閉じ込めるつもりのようですな。つまり、隊長から毒の切り離しができるということ。」
はなぽは、目の前にごーぶすの姿を捉えていた。羽根を広げ、身体が発光している。スキルが発動しているのだ。
「タダトモさん、ドイルさんの魔法に合わせて我々は隊長を……。」
その言葉が早いか遅いか、ほぼ同時のタイミングでドイルの魔法が地鳴りのような音を鳴らしていた。
はなぽは、ドイルが毒を止めることを微塵も疑っていなかった。
地鳴りが止むとドイルの目の前には、氷の柱が立っている。はなぽにはドイルの考えが読みきれないが、毒は止まったはずだ。
そして……
隊長を囲う光が弱まっているのをはなぽは見逃さなかった。スキルが一時的に破られた印だ。
「タダトモさん、いまです。」
はなぽとタダトモは、何かを投げた。
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