アナザーストーリー:強さの果てに3
最大級の大型とまではいかないが、中型は確実。セレスティアなら、剣闘師団や魔法師団が討伐するような相手だ。
しかし、今、ここにはミストファイナーしかいない。
「た、たすけ……。」
大声で助けを呼ぼうかと思い、ミストファイナーは踏みとどまった。
「今回は"武器なし"ってハンデつけてるだけマシだろ?」
「いい一撃だが、俺の防御を破るには力が足らん。」
頭の中で2人の声が再生される。
「俺は……俺は強くならなきゃいけないんだ!」
ミストファイナーはハンマーを構える。
「グガァアアアッ」
ワニの魔物がこちらをにらみつける。ブォンという音と共に尻尾が動き、こちらを狙ってくる。
ミストファイナーは、ハンマーを踏み台にして宙に跳んだ。ワニの尻尾は、先ほどまで立っていた場所の地面を的確に抉り取る。
「遅えよっ。"勝利への一撃"。」
ミストファイナーは、ハンマーでワニの尻尾を殴りつけた。