アナザーストーリー:強さの果てに11
ー開いてはまた閉じるー
そして、音だけはまだ響いている。
「さて、ミストファイナーさん、あなたは力を欲しますかな?」
あのワニの魔物を一瞬で消しさる力。それがあれば、父のような冒険者にもなれる。そして、TAKUMIや京橋ひよわにも勝てる。
「欲しい。」
ミストファイナーは答えた。
「俺に力をくれ!」
ミストファイナーは叫んだ。
―考えるのをやめてただひたれば追憶の中でシアワセになれるのにー
「よろしい。ならば、与えましょう。」
ミストファイナーの足元にある影がゆらりと動いた。
「このrainydayが。」
ミストファイナーは手に持ったハンマーもろとも影の中に吸い込まれた。
とぷん
小さな音が消えた後には、先ほどまでの激闘が嘘のように静かな川のほとりの景色が戻ってきた。