アナザーストーリー:国境線の獣4
ぱるふは、一度外に出て、別の方法で通してもらえないかどうかを交渉しようと背を向けた。その瞬間、轟音と共にアビサル側の出口が破壊された。
ぱるふは、背後で鳴った轟音に即座に反応し、振り向いた。先ほどまで少し先に見えていた出口が、かなり大きくなっている。
どうやら周囲の石が破壊されたようだ。
よく見ると、誰かが倒れているのが分かる。外の光が照らしたのは兵士だった。
兵士が吹き飛ばされて出口にぶつかり、石の壁を粉砕したのだ。どれほどの力でぶつけるとそんなことができるのだろうか。
ぱるふは、咄嗟に身構えた。
グオオオオオオオオオオオオ
巨大な雄叫びがかなり近くで聞こえた。出口のすぐ外だ。声と同時に、大きな衝撃波を感じた。これは……大型の魔物がでたんじゃ?
トカゲアザラゴンという巨大な魔物の噂は、ぱるふも耳にしていた。
ぱるふは、アビサルとは反対側の出口に向けて走る。大型の魔物には魔物ハンターでなければ敵わない。先ほどの列には魔物ハンターたちもいたはずだ。