アナザーストーリー:国境線の獣7
ぱるふの勘は的中した。
熊の獣人は、高い跳躍からぱるふの方へ向かっていた魔物ハンターたちにハンマーを振り下ろす。
ズドオオオオオオオオオン。
この音だ。
轟音と共に地面が抉れる。
先ほどの魔物ハンターたちは避けきれなかったのだろう。もはや姿は見えない。
グオオオオオオオオオオオオ
雄叫びが響く。
この獣人は魔物化している。
ぱるふはそう思った。
魔物化した獣人族は自我を失うのだ。
熊の獣人がハンマーをあげると、そこには大きなクレーターができている。そして、熊の獣人が、ぱるふの方を見た。
やばい……直感がそう告げている。
「オレ……ツヨイ……テキ……コワス」
熊の獣人が言葉を発した。
ぱるふは驚く。
自我がある。
魔物化することなくこれほどの力を!?
そう思った瞬間、熊の獣人はぱるふを目掛けて跳び上がった。