アナザーストーリー:到着、吟遊詩人3
こるんの表情が一瞬暗く陰る。
こるんの脳裏によぎるのは、彼女を襲った純然たる恐怖。
"例の4人"の声だった。
完成を遅らせろとは言われたが、何か仕掛けてくるとは全く言っていなかった。
雨乞いの儀を妨害するつもりなら、もう私はすでに殺されているだろう。
まさか、雨乞いの儀に降臨する大天使ミコエルが狙い?相手は神の領域にいる者。生身で勝てるわけがない。
しかし、どこかで不安が拭えない。彼らなら何をしてもおかしくないからだ。
こるんは、そのことは伏せたまま、まきエルたちの勧めのままに、雨乞いの儀に向けた話し合いに参加した。