アナザーストーリー:暴力と蹂躙1
ズンッという音と共に熊の獣人が地面に着地した。足の下の部分にあった地面はめり込み、窪みができている。
ぱるふは、咄嗟に後ろに下がり攻撃を避けたため、踏み潰されることはなかったが、生み出された衝撃でさらに後ろに飛ばされた。
ぱるふは地面に転がる。受け身は取れたが、背中に鈍い痛みがある。
「くそっ、なんなんだこいつは。」
ぱるふは、口の中に血の味を感じた。
考える暇もなく、熊の獣人がぱるふに向かってハンマーを振り上げている。
「"ドットエフェクト"。」
ぱるふはスキルを発動した。ハンマーを振り上げた腕に狙いを定める。
「"ドットロック"。」
ドットエフェクト専用の魔法であるドットロックは、指定した範囲内のあらゆるものの稼働を制限する。動きを鈍らせる魔法に近いものだ。
熊の獣人の腕のあたりに小さな光の丸が集まり、ハンマーを振り下ろす腕がうまく動かないように固定しようとしている。
腕が突然うまく動かなくなった獣人は、低い呻き声を上げて動きを止めた。
「なんてパワーだ。長くは持たない。」