アナザーストーリー:暴力と蹂躙4
ぱるふは、お礼を言うことしかできない。
「礼には及びませんよ。あなたは、早く行って、このことをクロスフェードに伝えてください。」
逃げろと言ってくれているのか。あの熊の獣人の力は生半可なものではない。スキルの内容は分からないが、1人で戦えるような相手とは思えない。
「あなたはどうされるのですか?」
ぱるふは共に戦っても良いと思っていた。
「私はあの方のお相手をします。」
兎の獣人が指を指す。熊の獣人がこちらに気づき、再び高く跳び上がった。
あれだ、あれが来る。
「避けて!」
ぱるふは叫んだ。
「その必要はありませんな。"バレット"。」
兎の獣人が魔法を唱えると、周囲に複数の光球が出現する。ぱるふは気づいた。それが圧縮された魔力の塊であることに。
「あなたは……いったい。」
答えが返ってくる前に、光球が空中にいる熊の獣人を目掛けて放たれた。空中では躱しようがない。
熊の獣人は、光球に撃たれて地面に落ちた。
ズンッという音と共に地面が揺れる。