アナザーストーリー:大天使の降臨5
皆が祈りを止めて立ち上がる。その姿を見たある者は無条件に涙を流し、ある者は再び膝を折った。声にならない声を上げている者もいる。
クリスエスと桐エルも頭を上げ、じっとミコエルの方を見つめている。
最後に頭を上げたのはこるんだった。
顔を上げ、ミコエルの方を見るとミコエルもこるんの方を見ていた。
無言で目が合うとまるで吸い込まれそうなほどの強大な力を感じる。魔力の圧でこるんなど、軽く消し飛ばされてしまいそうだ。
(これが……大天使……世界を創世する力すらもったミコエル教の最上位。)
レミルメリカの地に"大天使ミコエル"が再び降臨したこの日は、レミルメリカの歴史に刻まれることになったのである。
「まきエル、桐エル、よく働いてくれました。クリスエスさん、いつもあなたのことは見ています。そして、こるんさん、よく私を呼び出しましたね。あなたの歌、たしかに聞き届けました。」
天使の声が響く。
「ここからは私の役目。さあ、"アトラスの軌跡"をお見せしましょう。」
大天使ミコエルの元へ、光の球体が吸い込まれていった。
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