アナザーストーリー:天を穿つ光柱1
大天使ミコエルは光の球に込められた魔力を吸収した。すでに溜め続けた魔力が身体から溢れ出そうなほどだ。
大天使ミコエルの降臨は、ミコエル教徒たちにとってはまさに奇跡。その美しい姿に民衆は語彙力を失っていた。
桐エルが動いた。
「地が乾き、水が枯れ、人が嘆くとき、天使へ祈りの歌を捧げるべし」
ミコエル教に伝わる雨乞いの儀の文面だ。
吟遊詩人こるんの歌で、ミコエル教の信徒たちは祈りは最大限に引き上げられている。
「スキル発動、"大天使の加護"」
大天使ミコエルは固有スキルを発動した。大天使の持つレアスキルを知る者は少ない。すべての信徒たちがミコエルに注目している。
大天使の加護によって、信徒たちの力がミコエルに流れ込んでくる。ミコエルは思う、人の心はこれほどの力となるのか、と。
雨を望む民衆の願いをミコエルは聞き届けた。そして、祈りの歌で集めた力と、自らが溜めた魔力を触媒に強大な魔法を発動した。
「Trails of atlas」
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