アナザーストーリー:天を穿つ光柱4
「クリスエスさんもありがとうございます。でも可愛そうだから、あまりいじめないであげてくださいね。」
ミコエルは笑顔だ。
「仰せのままに。」
クリスエスはすでにその手に『禁書目録』を顕現させている。いつでも発動できるようにしているのだろう。
「さて、こるんさん。」
ミコエルはこるんに話しかけた。
吟遊詩人こるんも、その力の大半を使いきり、肩で息をしているような状況だ。
「雨乞いの歌、素晴らしいものでした。いつか『伝説入り』することを願っています。あなたの活躍、これからも楽しみにしていますね。」
こるんは、ミコエルを見上げる形になっているが、その声を聞き逃すことはなかった。
「ありがとうございます。吟遊詩人としてこれからも世界に歌を。」
こるんは軽く頭を下げた。
ミコエルは集まった民衆たちの方を再び見ると、羽根をひときわ大きく広げた。
「ミコエル教徒の皆さん、大天使はいつもあなたたちのこを見守っています。それでは、またいつの日か。」
そういうとミコエルの身体が泡のようなものに包まれた。