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「おらぁ!」

一閃。
横に凪いだ剣が対象を両断する。

「報告!」

その声に合わせて、周りから声が飛ぶ。

「2体殲滅、残り3。」
「同じく2、残り1です。」
「1体殲滅、木の上に4。」

報告は3方向から聞こえた。
「残り8か。楽勝だな。」

剣闘師団団長・kentax。手に持った剣には、王国の紋章が刻まれている。

現在、剣闘師団は戦闘中だ。水を確保し、クロスフェードまで帰還する途中、魔物の討伐依頼が舞い込んだのだ。

討伐対象は"猿"の魔物。小型の魔物ではあるが、素早く、木の上を移動するため、捉えにくい。さらに集団で移動するから厄介極まりない。

剣闘師団は、セレスティア草原に点在する小さな森のようになった場所に猿の魔物を追い込み、戦闘していたのである。

「"ショックウェーブ"」
「"パラライズ"」

剣闘師団は後続の魔法師団と合流していた。

どちらもプロムナード近郊へと遠征していたのであるが、魔法師団はある事情によって出発が遅れた。剣闘師団は先に出発したが、砂漠地帯で水を切らし、その入手に追われていたため、結局合流する形になったのである。

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