「たしかにこっちに向かってる。たぶん、あの辺から。あと少しでここを通る。」
小金井ささらが指差した方向を見るが、まだ姿は見えない。たしか、10キロ圏内を範囲指定できると聞いたことがある。
「それが"サーチ"ですか、すごいですね。」
ここを通るまでにはまだ時間があるはずだ。
よだかの賞賛に小金井ささらは反応する。
「ユキちゃんはすごいの。もっと褒めてあげてくれたら、きっと喜ぶ。」
そう言って、小金井ささらは再びユキちゃんの髪を撫で始めた。次第に人形と呼びにくくなっていくのが怖いところだ。
「さ、さすがユキちゃんですね」
よだかの賞賛に小金井ささらは満足したようだ。
よだかと小金井ささらは、ドイルたちの到着を待っていた。